グレープフルーツの残留農薬について知っておきたいポイント

グレープフルーツは世界的に人気がある柑橘類で、日本では大半が海外から輸入されている状況があります。アメリカを中心としてチリやフィリピンなどからも輸入されていますが、残留農薬の問題が懸念されているのを知っているでしょうか。

この記事ではグレープフルーツの残留農薬について知っておくと役に立つポイントを紹介します。

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グレープフルーツの残留農薬問題とは

残留農薬問題はグレープフルーツに限らず、様々な農産物で問題になっています。海外では日本に比べると大量の農薬を使用して農作物の生産をしているケースが多いからです。国によって使用が認められている農薬の種類にも違いがあり、日本では認可されていない農薬が海外では使用されていることも珍しくありません。

農薬は農作物の種類によって使えるものが決まっている国もありますが、一律で認可しているケースもあります。このような制度上の違いと、農薬の使用量の差によって、輸入した農作物の残留農薬が基準値を超えてしまう問題がよく発生しています。

グレープフルーツの残留農薬問題も初期には単純に基準値を超えているものが見つかって廃棄処分せざるを得なくなるというものでした。あるいは残留農薬が基準値を超えているにもかかわらず、検査を潜り抜けて市場で販売されてしまっていたというケースもあります。

また、基準値に限りなく近い残留農薬が検出されたグレープフルーツもあり、ギリギリの値でも本当に安全なのかが消費者から懸念視されることも少なくありません。グレープフルーツの栽培では世界的に大量の農薬を使用する傾向があるため、残留農薬の問題がどうしても発生しやすいのです。

柑橘類は病気になりやすく、虫による被害も受けやすいことから農薬を使わないと大量生産が難しいのが原因となっています。

防カビ剤はグレープフルーツに使用可能

残留農薬問題に関連して、日本ではグレープフルーツに食品添加物として防カビ剤を使用することが認められていることも知っておくのが重要です。グレープフルーツは海外からの輸入が主流なので、輸送中に腐敗するリスクも減らさなければなりません。

そのため、アメリカやメキシコなどの各国で防カビ剤により処理をしてから輸送し、日本の市場で販売するという流れが一般的になっています。必然的に残留農薬には防カビ剤が付着していることになるため、残留農薬と定めてしまうと基準値を超えるリスクが常に発生します。

この点を考慮して厚生労働省ではいくつかの種類の防カビ剤を食品添加物として認可しているのが現状です。輸入するグレープフルーツに防カビ剤を使わせなければ良いのではないかと思うかもしれません。しかし、アメリカやメキシコなどから船で輸送をすると長い日数がかかります。

倉庫で保管しておく期間も生じるため、新鮮なグレープフルーツを直ちに日本市場に届けることはできません。その間に一部が腐敗すると日本企業が検品した際にグレープフルーツを購入してくれないでしょう。腐敗しているものが一つあったら他もリスクがあるかもしれないと考えて全て断るかもしれません。

グレープフルーツを輸出する業者としては大きな痛手になるのは明らかです。この問題の解決には現状としては防カビ剤の使用がコストパフォーマンスも高くて優れていると考えられています。

農薬が防カビ剤として厚生労働省に認可された

グレープフルーツの残留農薬の問題は防カビ剤にも焦点が置かれています。防カビ剤の認可が厚生労働省によって進められたのは1970年代に始まったことでした。オルトフェニルフェノールを皮切りにして、チアベンダゾール、イマザリル、フルジオキソニルなどが防カビ剤として認可され、現在では9種類の防カビ剤をグレープフルーツに使用できます。

ただ、このような防カビ剤は海外ではポストハーベスト出用いる農薬として定義していることが多いため、安全性が高い印象を受けてしまう食品添加物として世の中に知らしめて良いのかという議論は昔からよくあります。ただ、厚生労働省としては防カビ剤の食品添加物として印象を良くする必要がありました。

日本では食品衛生法によって残留農薬が規制されています。1970年代にはオルトフェニルフェノールの検出によって、輸入果実が大量に処分される事例がありました。輸出元となったアメリカが非難の声を上げ、残留農薬問題について対応の改善を強く要求されたのです。

アメリカからグレープフルーツなどの果実を輸入できなくなると日本としては国内の果実の流通量が大幅に減少します。基準値を単純に下げても輸入業者や販売業者、消費者などが懸念を抱く可能性があります。そこで、残留農薬ではないという印象を持ってもらうために防カビ剤の食品添加物とする方策を選んだのです。

→現在の農薬と残留農薬への取り組み

防カビ剤と残留農薬の現状

防カビ剤としてグレープフルーツのポストハーベスト農薬が認められてからは、輸入されたグレープフルーツから常に検出される状況があります。ただ、食品添加物でも基準値があり、その範囲内に入っている場合がほとんどです。

グレープフルーツの栽培中に使用される農薬の残留についてはあまり起こっていることはなく、様々な機関が市販されているグレープフルーツの検査をしていますが、基準値を超えているケースはまずありません。厚生労働省の対応後は海外の生産者も協力する姿勢を示し、安全性の高いグレープフルーツを供給しているのです。

残留農薬が気になるときの対応策

現状の基準で残留農薬とされている物質が基準値以下になっているのは確かでも、グレープフルーツには昔は農薬とされていた防カビ剤が使われているのが気になる人もいるでしょう。カビを抑える物質は体に悪いのではないかと思うのももっともなことです。

その際には果皮を破棄するようにするのが効果的でしょう。防カビ剤は果皮に付着する性質があり、内部にはほとんど入り込みません。濃度にして50倍くらいの差があるので、果肉だけ食べれば安心です。果皮をジャムにするときなどには防カビ剤を使用していないものを選びましょう。

グレープフルーツは果皮を除けば不安がない

グレープフルーツの残留農薬問題は昔から大きな議論を巻き起こしてきました。海外に生産を頼っている日本では輸出を受けられなくなるのが大きな問題になるため、厚生労働省がポストハーベスト農薬を防カビ剤として認めたという経緯があります。

安全性が気になるのであれば果皮を除き、防カビ剤がほとんど検出されない果実だけを食べるようにしましょう。